うつ病治療ネット 公式ブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都中央区日本橋の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

会社としてのうつ病・メンタルヘルスケア対策 まずは対策チーム・社内環境チェック・就業規則の見直しの3つから

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今から約5年前、国は一つの目標を発表しました。それは

『2020年までに100%の企業でメンタルヘルスケアを受けられるようにする』

というものです。これは今よりも

  • 社員一人一人の心身の健康を守る
  • うつ病を予防や対策
  • うつ病による休職社員がリワーク(復職)した時のケア

を充実させる為にこうした目標が打ち出されました。

これ、現在はまだ目標の範囲ですが、今後

『企業においてのうつ病対策およびメンタルヘルスケア』

は必須事項であり、義務化するだろうといわれています。もし義務化となった時に慌てないようにするには、今からどうすればいいと思いますか?やらなければいけない事は多々ありますが、その中でも基本となる

  • うつ病、メンタルヘルスケア対策チーム
  • 社内環境の見直し
  • 就業規則について考える

の3つに絞って、これからお話させて頂きますね。

目次

  1. まず会社内で作らないといけないある「チーム」
  2. チームが出来たら「社内環境」を見直そう
  3. 2020年に向けて就業規則について考える

1.まず社内で作らないといけないある「チーム」

会社内で従業員のうつ病対策・メンタルヘルスケアを

「各部署で行うように」
「従業員各自で知識を得るように」

としたら、そういったのに熱心な上司がいる部署や従業員であれば情報収集に余念がないかもしれませんが、そうでない場合は情報が何一つないという結果になってもおかしくありません。また従業員の知識がバラバラになりますから、情報を共有する事も出来ません。

そこでまず必要となるのが

『うつ病・メンタルヘルスケア対策チーム』

です。このチームの具体的なメンバーは

  • 人事や労務スタッフ
  • 各部署のトップ(出来れば係長、課長、部長とセクション毎に)

が基本となります。このメンバーで何をするか?というと、

① うつ病についての基礎知識を得る為の情報収集
② ①の情報を全社員へ発信、共有する
③ メンタルヘルスチェックの検討、準備、実施
④ ③の結果をふまえて、うつ病が疑わしい従業員へのヒアリング
⑤ うつ病で休職した従業員がリワーク(復職)した時のリワークプログラム作成とリワーク後のフォロー
⑥ ①~⑤についての窓口的役割

といったのを行っていきます。ここでチームのメンバーを各部署のトップとした後に

「出来れば係長、課長、部長とセクション毎に」

とカッコ書きをしたのは各々のトップが関わる事で従業員への情報の落とし込みがしやすくなるのと、それまでの縦や横の繋がりだけでは気づかなかった

『うつ病・メンタルヘルスケア対策に必要な事や物』

というのが見えてくるようになる可能性があるからです。

2.チームが出来たら「社内環境」を見直そう

うつ病・メンタルヘルスケア対策チームが出来たら、次は

『社内環境』

に目を向けてみましょう。

一言で社内環境といっても色々ありますが、ポイントになるのを挙げるとしたら

① 残業
② 人間関係でのトラブル(セクハラ、パワハラ含む)
③ 自分の能力と仕事内容のミスマッチ

の3つではないかと思います。

まず最初の残業ですが、従業員(もちろん貴方も含めてです)

  • 深夜になるまで残業している
  • 残業はつけていないようだが会社に残っている事が多い

という方いませんか?

残業が多いというのは「仕事が忙しいから」、「量が多いから」という理由はありませんがこれが長期間続けば、間違いなくストレスや精神的な疲労というのは蓄積されていきますし、家で過ごす時間が短くなりますから、「不眠・食欲減退・リラックスする時間がない」といった現象に陥っているかもしれません。

そうなるとメンタルヘルスの不調やうつ病になる危険性はどんどん高くなっていきます。

次に人間関係でのトラブルですが、よくありがちなセクハラ・パワハラは勿論ですがこれ以外に、社員同士での「ちょっとしたいざこざ」なんかも、うつ病や心身の不調を起こしやすいとされています。

それから意外と思われるかもしれませんが人事異動も実は環境がガラっと変わってしまうので、人間関係を一から作り直す、コミュニケーションを図るといった時にトラブルになるケースがありこれが心身の不調を招くきっかけとなります。

最後の③の自分の能力と仕事内容のミスマッチについてですが、これは自分の「好き・嫌い」といった観点からではなく

「その仕事を自分が持っているスキルでこなせているか?」

という観点でチェックしていきます。分かりやすいパターンで言うなら、

  • セールス担当からデスクワーク担当へ
  • 経理から開発担当へ

というように今までとは全く違ういわば「畑違い」の所で仕事をするようになると、それまでの自分が持っていたスキルが「使えない」といった状況が大なり、小なり出てきます。そこで

「これからスキルアップ目指して頑張ろう!」

と前向きに思えたら問題はありませんが

「自分はなんて出来ないヤツなんだろう」

と感じれば

憂うつな気分 → 蓄積されて抑うつ症状に → うつ病発症

となっていくでしょう。

更に後者のように「出来ないヤツ・ダメなヤツ」と思ってしまうと、やる気が無くなるだけでなく、ストレスや精神的疲労が溜まっていきます。そうなると仕事に対する意欲が失われるだけでなく、抑うつ症状が進行してうつ病が悪化するのは避けられないでしょう。

これを防ぐ為に、対策チームの初仕事は「社内環境の見直し」といえるのです。

3.2020年に向けて就業規則について考える

皆さんの会社には

『就業規則』

というのがあると思いますが、対策チームを作って、社内環境のチェックが終わったら次に目を向けるのはこの就業規則です。

現在、企業の就業規則の中にうつ病やメンタルヘルスについて規則があるというのは、ごく一部なんだそうです。そこで冒頭で紹介した

『2020年までに100%の企業でメンタルヘルスケアを受けられるようにする』

為にも、今の内に就業規則を見直したり、新たに

『うつ病、メンタルヘルス不調時についての就業規則』

というのを作ったりして、今後起こりうる

「会社でのメンタルヘルスケア対策」の義務化に備えましょう。ここで、うつ病、メンタルヘルスについての就業規則があれば

  • 企業でのうつ病やメンタルヘルスケアが義務化された時に慌てないで済む
  • もし、うつ病になった時等に「会社が動いてくれる」という安心感を持てる
  • 社外的にはうつ病・メンタルヘルスケア対策をしているというアピールが出来る

というメリットがあります。

「けど、就業規則のどこを見直すポイントにしたらいいんだろう?」

となると思いますので、そんな方はまず

  • 有給休暇の取得について
  • フレックスタイム等の導入

といったのから始めてみる取りかかりやすいと思います。他の病気でもそうですが、うつ病の場合は特に定期的な治療や投薬が必要ですが、病院に行けなかったり・薬が切れそうという状況になると症状が悪化するだけでなく、最悪な場合「命」に関わる事になるかもしれません。

就業規則の見直しや新たにうつ病・メンタルヘルスについての就業規則を作ったら、それは

「うつ病やメンタルヘルスが不調な人が出た時に知らせればいいや」

とするのではなく、全従業員がそれを共有出来るようにきちんと知らせましょう。そうしないとせっかく作ったうつ病やメンタルヘルスについての就業規則が知られないまま、活用されないという結果になるからです。

そして就活生や新入社員にも会社説明会や入社時のオリエンテーションで説明をすれば、貴方の会社に興味を持ってくれたり、「この会社に入社して良かった」と感じてくれるかもしれません。

もしそうなったら、対策チーム作りから社内環境や就業規則の見直しといった作業も報われるし、「我が社はここまで準備出来ているから大丈夫」という安心感も持てると思います。

まとめ

幸い私が勤めている会社にうつ病を患っている人というのはいませんが、うつ病患者数が増加している今

「もしも、うつ病になった時に会社がどう対応してくれるんだろ?」

というのは会社勤めの人であれば、誰もが気になるところではないでしょうか?

そんな時に「会社として、こうした準備が必要」というのだけでも分かると作業がしやすいでしょう。

「2020年なんて、まだ先だし」

なんて思っていると、アッという間に2020年になりますよ。そして2020年になってから慌てて対策チームを作っても機能するまでにはそこから更に時間がかかりますから、作って2020年にきちんと機能させたいなら対策チームは「今」作るのがおススメですよ。

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