うつ病治療ネット 公式ブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都中央区日本橋の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

うつ病からのリワーク第一ハードル 『リハビリ出社』について

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うつ病の治療の為に休職していた社員が「リワーク(復職)OK」という主治医からもらうと、

「リワークOKの許可が出たので、復帰したいのですが。」

という連絡が会社に入ります。この時、まず最初のステップとなるのが

『リハビリ出社』

です。

「リワークOKの許可が出ているなら、慣らし出勤でも問題ないんじゃないの?」

と思うかもしれませんが、この最初のリハビリ出社でリワークが上手くいっていないと慣らし出勤の時にリワーク者のうつ病が悪化・再発してしまう可能性があり、そうなるとリワークの失敗に終わる危険性があります。

「ふ~ん、そうなんだ。けど、リハビリ出社って一体なんなの?」

と思う方もいらっしゃるでしょうから、そんな方の為にリハビリ出社の基礎知識的な事について紹介していきます。

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1.リハビリ出社の定義とは?

ここでうつ病休職者のリワークプログラムと呼ばれる復職プランには

  • リハビリ出社
  • 慣らし出勤
  • 時間外勤務がない定時勤務
  • 時間外勤務がある通常勤務

という大まかに分けると4つの勤務体系があります。時間外勤務がある通常勤務をリワークプログラムのゴールとするなら、スタートとなるリハビリ出社はどんなものなのでしょうか?

リハビリという言葉は皆さん一度は聞いた事があるかと思いますが、例えば足を骨折して長期間ギブスをした後、今度は外した時に衰えた骨や筋肉の動きを思い出させるといったのがリハビリとなるのですが、うつ病休職者の場合は、その多くがうつ病が原因で

「引き籠り」

になっているか、それに近い状態となっています。ですので、まずは会社で仕事をするというよりも

『家から出て会社に行く』

というのが目的そして定義といえます。

2.通勤もリハビリ出社では1つのリワークプログラム

リハビリ出社の定義が「家から出て会社に行く」というのであれば、欠かせないのが

『通勤』

です。例えば、うつ病で休職する前はバスと電車で通勤していたとしたら、リワークする時は同じ経路を使って通勤し、会社に通います。うつ病を患っている人の中にはパニック障害を併発している人もいるので、バスや電車に乗れないとなって通勤が出来ないという事も多くあります。

だからリハビリ出社では

『通勤もリワークプログラム』

となるのです。ここでもしうつ病休職者がリハビリ出社をする時のアドバイスとして、出社という言葉から通常だと「始業時間に合わせて」となりますが、ラッシュアワーというのはかなりの人混みとなりこれがうつ病の人にとっては苦痛や不安となります。

そうなると先程お話したように電車やバスに乗れずに出社できないというのも起こる可能性大となってきますので、リハビリ出社の段階では「始業時間に合わせて」というよりも

『ラッシュアワーを避けた時間帯での出社』

という配慮をしてあげた方がリハビリ出社が成功しやすくなります。

3.本当にリワークして大丈夫か?という判断をする為

主治医から「リワークOK」の許可が出て、復職の連絡があったとしても

『本当にリワークして大丈夫か?』

というのについては「実際フタを開けてみないと分からない」という部分が大きいです。

「主治医から許可が出てるなら大丈夫じゃないの?」

と思うかもしれませんが、中には主治医に懇願してリワークOKの許可を出してもらうといううつ病休職者もいて、その場合だと本来ならまだ治療が必要なのでリハビリ出社をしたとしても遅刻や早退そして欠勤というのが段々と見られるようになります。

もしそんな状態のままでリハビリ出社から一歩ステップアップした慣らし出勤をしたら、どうなると思いますか?皆さんお分かりだと思いますが、うつ病の症状が悪化するまたは再度の休職を余儀なくされるでしょう。

4.リハビリ出社での仕事について

ここでリハビリ出社での仕事についてですが、リハビリ出社の目的および定義は

『家から出て会社に行く』

です。ですから会社に出勤するとはいえ、うつ病休職者の場合は通常勤務のように仕事をこなすというのはこの時点では無理といっていいでしょう。一番良いリハビリ出社の例としては

①リワーク部署での郵便物や備品の整理

②休職中にパソコンやコピー機といったのが変わっている場合は
マニュアルを読んだり、上司や部署の人に使い方を習う

③簡単なデータ入力や書類の作成

④他の社員の業務サポート

というような

『少しずつ集中力や作業力を要する仕事を行って行く』パターンです。特に②に関してはパソコンやコピー機が使えないというのは、それだけで

「仕事が出来なくなるんじゃないか?」
「パソコンやコピー機が使えないから、皆の迷惑になるんじゃないか?」

という不安や焦りを感じるので、

「○○さんが休まれている間にコピー機が変わったので、私が使い方を見せるのでそのマニュアルを見て確認してみてください。」

「○○さんの休職中に、会社の勤怠管理の処理の仕方が新しくなりました。マニュアルもあるのですが実際使ってみた方が分かりやすいと思うので、一緒に使ってみませんか?。」

と声をかけてあげてください。こうする事で「触れない、使えない」といった不安感や焦りを減らせるし、一緒に使ったり、やり方を見せる事でマニュアルを読むだけよりもずっと分かりやすくなります。

うつ病に「焦り」は禁物です。だからリハビリ出社の時は

『少しずつ、焦らず、ゆっくりと』

をモットーにリワークを進めていきましょう。

5.「慣らし勤務」との違いは?

これまではリハビリ出社の定義から仕事についてまでを紹介しましたが、

「慣らし勤務と何が違うの?」

という疑問が、そろそろ出てくるかもしれません。リハビリ出社と慣らし勤務の違いは

出社時間

リハビリ出社・・・午前中のみ、午後から3時間等の数時間

慣らし勤務・・・・定時時間内で短時間勤務、もしくは定時時間勤務

仕事内容

リハビリ出社・・・出社が目的なのでリワーク者に負担がかからない比較的軽度なもの

慣らし勤務・・・・他の社員のサポートや会議への参加等、リハビリ出社よりも更に実践的

といった感じです。リハビリ出社と慣らし出勤はよく間違えられたり、混同されがちなのですが

真の目的

リハビリ出社・・・会社へ行くのが目的なので、仕事というよりも通勤・出社そして会社の雰囲気に 慣れるのがメイン

慣らし勤務・・・リハビリ出社から一歩ステップアップして仕事の割合が増え、定時勤務に向けての準備段階

とするとリハビリ出社と慣らし勤務の違いが分かりやすくなると思います。

6.リハビリ出社で注意しないといけない事

うつ病の治療を乗り越えてリハビリ出社が出来るようになったのは、うつ病休職者にとっても会社にとっても嬉しい事ではありますが、いくつかの注意しておかないといけない事があります。

注意点①:リハビリ出社はあくまでも「リハビリ」です。

だから慣らし勤務や残業のない定時勤務といったものとは違う扱いなので『復職前』となります。ですから

『給与が発生しません』

この点についてはリハビリ出社をする前の打ち合わせの時に、うつ病休職者と人事や労務といった会社側のスタッフ双方で理解と確認をしておく必要があります。

また労災についても通常のリハビリ出社は「勤務とみなされていない」と判断されると認定が認められません。これについてもお互いの理解と確認をしておいた方がいいでしょう。

注意点②:リハビリ出社は本人を主体としたリワークプランです。

だからこの段階では何か仕事を任すというよりも、

  • 会社に出社する
  • 職場に慣れる

が目的なので、この時点で慣らし出勤レベルの仕事を任せたりするのは避けましょう。リハビリ出社での仕事については

  • うつ病休職者本人、復職先となる職場の上司、人事や労務スタッフ

といったメンバーで、打ち合わせの時に出来る事・出来ない事を確認しながら決めていくと実際に出社した時に仕事を頼むのがスムーズになる効果があります。

7.リハビリ出社は1、2週間毎に状態をチェックしながら1ヶ月~3ヶ月の期間で

最後に

「リハビリ出社は期間としてはどのくらいが目安になるか?」

についてです。

数時間単位とはいえ、それまで会社と離れていたうつ病休職者が行っているので出社日数が少なくても、1、2週間毎に復職先の上司や産業医が常駐している企業であれば産業医のチェックを受けるようにしてください。

もし産業医がいない場合は主治医と連携を取って症状の確認が出来るようにしておくと、「様子がおかしい」と感じた時に協力を要請出来ます。

この症状のチェックをしながら1ヶ月~3ヶ月という期間で、うつ病休職者の職場でのリワークの様子を見ていきます。ここでもし問題なくリハビリ出社が出来ていて、他の社員へのサポートが出来るようになっていれば、一つ上の慣らし出勤を視野に入れていきましょう。

但し、上司や医師の定期的なチェック以外に

  • 作業力が低下してきた
  • 遅刻や早退が多い、欠勤するようになった
  • 疲労感が激しい
  • 居眠り

といったのが見られるようになったら、その時は一度

『リハビリ出社の中止』

を考えなくてはなりません。だから、うつ病休職者本人以外でリワークに関わる復職先の上司や人事・労務といったスタッフは、こういった点についても気をつけて目を向けるようにしてください。

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