うつ病治療ネット 公式ブログ

現代のうつ病事情を読み解く!東京都中央区日本橋の心療内科・精神科「YSこころのクリニック」がうつ病に関する様々な情報をお届けします。

うつ病休職者のリワーク。休職後だけが重要じゃない話 (休職前と休職中。会社がしてはいけない事・しなければならない事)

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突然ですが、もしも貴方の会社に「うつ病」になっている社員がいて

「うつ病の治療の為に休職したいのですが。。。」

と言われたり、

「うつ病で休職していたのですが、リワーク(復職)したいのですが。。。」

と連絡があった場合、会社として

「そうですか。はい、分かりました。」

と一言で終わらせて良いのでしょうか?

うつ病からのリワークは実はとても難しく、1年以上リワーク出来たという人はうつ病休職者の中で『約2割』くらいといわれています。そんな確率が低いものを「はい、分かりました」だけで済ませれば、その後の結果が悪くなるのは目に見えるでしょう。

そこで、うつ病治療の為に休職する社員が、休職の申し出をした時や休職中に

  • 会社としてしておかなければならない事
  • 会社としてしてはいけない事

というのについて、これから紹介していきます。

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目次

  1. うつ病治療の為の休職の申し出があったら
  2. 社員がうつ病休職中にしてはいけない事、しなければならない事
  3. 今からメンタルヘルスケア対策またはうつ病対策チームを社内に

1.うつ病治療の為の休職の申し出があったら

うつ病の原因は会社や仕事によるストレスや、パワハラ・セクハラと等が多いといわれていますが、うつ病になるきっかけというのは人それぞれです。だから例え会社が原因でなくても、「うつ病になっている」というのに変わりはありませんし、治す為には治療が必要です。

その為に『休職』という方法を取りますが、もしも

「うつ病治療の為に、休職をしたいのですが。。。」

という申し出あったら、

  • してはいけない事
  • 「忙しいから3月の決算時期までには復帰してください」
  • 「休職中に、この資料読んでおいてください」

というように休職期間を限定したり、仕事についての課題のようなものを与えるといった事です。ここで一言言わせて頂くと、うつ病というのは症状は一進一退です。

だから「昨日は調子良くても、今日は調子が悪い」というのが常で、中には「午前中調子悪かったけど、今は調子が良い」というように1日の中でも調子の波がある病です。それなのに先程のように「~までに」という期限をつけて休職させると、今度は

「3月までにリワークしないと。。。」 「使用を読んで期限内でリワークしないと、会社クビになるかも。。。。」

という不安から、うつ病が悪化してリワークから遠ざかってしまいます。また、

  • 「どうして、うつ病になったの?会社の誰かのせい?」

といった、うつ病の原因を聞くなんていうのはしてはいけないというよりも、

『絶対にしないで』

ください。他での休職や退職の場合でも、色々と聞いたりというのはあると思いますが、これをした処で何の解決にもなりませんし、逆に

「あの人がうつ病になったのって、○○さんが原因らしいよ。」

という、あらぬ噂が広まったりしたら休職者は「自分のせいだ」と思い悩み症状が更に悪化するでしょうし、もしかしたら○○さんが今度はうつ病になるかもしれません。そうなったら、会社としては「ゆゆしき問題」となるのではないでしょうか?次にしなければならない事です。

  • しなければならない事 まずこれから休職に入るうつ病を患っている社員へ
  • 休職中の生活、雇用の保障
  • ならし出勤、軽減出勤といったリワークプログラムに沿って復職出来る事

の説明を行ってください。

うつ病で休職するとなるとご家族がいる方は特に、休職中の生活や雇用保障についてが一番気がかりになります。だから、これについて社内の休職制度だけでなく、必要であれば医療費の控除という公的なサービスが受けられるというのを、きちんと説明して

「何の心配もなく治療に専念出来る」

というのが分かるようにして下さい。

そして、休職後もいきなりリワークするのではなく段階的に復職するシステムがあるというのも一緒に説明しておくと、うつ病休職者としては安心してうつ病治療の休職に入れます。

一人暮らしの場合は「身の安全」の為に帰省を勧める事も視野に。。。

うつ病による休職を申し出た社員の中には「一人暮らし」の人もいるかと思います。うつ病の一人暮らしには

  • 休職に入った時に生活習慣が乱れやすい
  • 食事や薬の服用がきちんとされない可能性がある

という可能性が高くなります。また『死にたい』という願望がある場合だと、自傷やそれこそ自殺する恐れがあるので、これが一番危険です。

だから、うつ病治療による休職を申し出た社員が一人暮らしの場合は、実家への帰省や家族と同居するというのを勧めるのを視野に入れたり、会社の休職規定のうつ病による休職の中に最初からこれを盛り込んでもいいかもしれません。

2.社員がうつ病休職中にしてはいけない事、しなければならない事

次に社員がうつ病治療の為の休職に入ったら、

してはいけない事

病院の守秘義務とまではいかなくても、人事や労務の担当者や会社の上司であれば「社員のプライバシー」を知ったり、関わったりする機会が多くなります。そして今回のうつ病での休職というデリケートな事柄をお昼休みや飲み会といった場で

「Bさん、今休職しているなんだけど、ここだけの話うつ病なんだって。」

という風に他の人に漏らすのは会社としては勿論、個人としてもしてはいけない事です。皆さんも経験があるとは思いますが、「ここだけの話」というのは「ここだけ」にはなりません。大抵の場合、色々な人に広まっていきます。

ましてやそれをしたのが人事・労務担当や上司という立場の人であったら、そしてそれをうつ病で休職している本人が知ってしまったら、どうなるでしょうか?

人事、労務担当者そしてうつ病休職者の上司というのは休職前、休職中だけでなく、休職後もうつ病リワーク者と密接に関わっていく可能性が高いので、もしこんな事があったら信頼性が無くなるだけでなく、

「自分は本当はうつ病になったダメなヤツだと思われているんだろうな」

という新しい不安やストレスの原因となります。そうなったら、仮にリワークが出来たとしてもうつ病の悪化や再度の休職となる可能性が高くなるのは間違いありません。

そしてもう一つしてはいけない、いえ、むしろ『絶対にしてはいけない』のが

『退職を促す』

事。これは実際のうつ病で休職していた人が休職中、もしくはリワーク後に多いケースです。例を一つ挙げるとある会社では、ある日、うつ病で休職中だったCさんへ会社のD上司から

「もしもしCさん、Dです。あの現在休職中で復職を考えているようですが、もし復職が出来たとしても貴方の仕事はありませんから、申し訳ありませんが退職を考えてもらえませんか?。」

という電話がありました。

これ「しっかりうつ病を治して、会社へリワークしよう!」と思っている休職者にとっては「望みを潰された」と言っても過言ではないし、

「自分がリワークしても居場所はないんだ」 「休職を止めて、早く復帰しないと自分の仕事が無くなってしまう」

という不安や焦りをいたずらにあおっているようなものですし、会社側がうつ病休職者のリワークを妨げると捉えられて訴えられるという可能性も出てくるので、これは

『休職中に絶対にしてはいけない事No.1』

といえます。

しなければならない事

うつ病による治療の為に社員が休職に入ったら、

  • 会社、本人、家族が「うつ病についての正しい知識」を持つ
  • 会社と家族の情報共有
  • リワークプログラムの情報収集、主治医や産業医への相談

から、まず始めましょう。この中で最初の「うつ病についての正しい知識」を持つというのに『家族』が含まれていますが、

「リワークするのはうつ病休職者で、受け入れるのは会社。けど、どうして家族も入っているの?」

と思うかもしれません。確かにリワークの主役はうつ病休職者で、それをサポートする準主役となるのが会社ではありますが、家族にうつ病についての正しい知識がない場合どうしても

「サボってる」 「単に仕事に行きたくないだけなんじゃ。。。」

と思ってしまい「早く復職したら。」と催促してしまうケースがあり、これによってまだ無理な状態なのに復職する為に主治医に復職OKの診断書を書いてもらい、復職。しかし再度うつ病が悪化して、やむを得ず休職にとなるパターンが多く見られます。

本人、会社、そして家族でのうつ病の正しい知識として大切なのに

『うつ病には症状の時期がある』

というのが1つあります。

うつ病には発症した事による「ショック期」、投薬治療や認知行動療法を受けながら心身の休養をする時期の「急性期」、そして症状が安定して復職に向けて動けるようになる「安定期」の3つに分かれています。

ですから本人も会社や家族も焦って復職を考えるのではなく、「うつ病にはこうした治っていく時期がある」という知識を共有して、本人はじっくりと周りは温かく見守った方がリワークの成功率はより高くなります。

次に会社と家族での情報共有についてですが、これはうつ病リワーク者のすべての情報ではなくその中でも

  • うつ病リワーク者の投薬や家での様子

の情報共有です。これはどうしてかというと、うつ病休職者が会社に復職してありがちな事に

「最近、調子が良いから」

と勝手に服薬を止めたり、通院をしていなかったりというのがあるからです。うつ病を患っている人が自己判断でこういったのをするのは、言い方を変えれば

「自分でうつ病再発・悪化を招いて、リワーク出来なくなる」

です。通院については領収書があれば行った事は分かりますが、投薬については自分で薬を処分してしまって「飲んだ。」と言えば分からなくなるので、

  • どういった薬を飲んでいるか?
  • 飲んでいる薬の副作用(眠くなる等)

というのは会社と家族で共有しておいた方が良いと思います。

それからリワーク中の家での様子についてですが、これは家庭での事となるので家族じゃないと分かりません。もしリワーク中にうつ病を患っている本人が、

  • 眠れない
  • 食欲がない
  • 気分の落ち込みが激しい

という様子があれば、もしかしたら今行っているリワークに問題があり、改善が必要かもしれませんのでこうした情報も会社と家族で共有しておくと、プログラムがスムーズに進みやすくなるだけでなく、もしものトラブルがあった時に早めの対処が可能となります。

最後のリワークプログラムの情報収集、主治医や産業医への相談ですが、うつ病の社員が休職中で復職を希望している時は、「リワークプログラム」を作成する必要が出てきますが、いきなりこれを作るというのは無理がありますし、作ったプログラムがうつ病休職者に合っているかが分かりません。

そこでまずはリワークプログラムについての情報収集をして、

  • 復職する時期
  • 復職先(前職がいいのか?新しい部署がいいのか?)
  • 勤務時間や日程
  • 仕事内容

といったのを把握して、大まかにでもプログラムを作っておきましょう。この時に可能であれば、うつ病休職者の主治医や産業医の意見を聞いた方が、

『うつ病休職者の心身の負担にならないリワークプログラム作り』

が出来ます。但し、この時うつ病休職者の主治医に連絡をする場合は必ず本人に了解を得てからとし、リワークプログラムの相談をする時は、うつ病休職者が休職前にしていた仕事内容やリワークとして考えている仕事についてメモを用意しておくと、主治医や産業医へ説明しやすくなるので、あると便利です。

この後うつ病休職者が復職希望の連絡があり、会社へ打ち合わせに来れるようになったら、時間をかけて話し合って、大まかなものをより綿密で具体的なリワークプログラムにしていきましょう。

3.今からメンタルヘルスケア対策またはうつ病対策チームを社内に

現在、国は

「2020年までに企業でメンタルヘルスケアが受けられる割合を100%に」

という目標を掲げ、それに合わせての企業でのメンタルヘルスケアの充実と強化を盛り込んだ法改正やうつ病などによる精神疾患での労災の認定基準を新しく分かりやすいものにしています。こうした流れが今後本格化し、法改正が行われればここで紹介してきた「してはいけない事」をすれば

「会社がうつ病休職者のリワークを妨げた」 「うつ病を発症したけど、メンタルヘルスケアがきちんと行われなかった」

と訴えられるケースが増えてきます。もしそんな事になれば会社としては社外的にも、社内的にも大問題となるのは間違いないでしょう。

このような事にならない為、そして

  • うつ病になってしまった社員をしっかり保護してリワークさせる為
  • 社員をうつ病にさせない為

にも、今から社内で作っておき、きちんと機能できるようにしておいた方がいいのではないかと思います。

まとめ

「うつ病休職者の復職について」というと、その多くは休職後のリハビリ勤務の仕方、症状の見極め方、リワークプランについて等のテーマが多いのですが、そういったテーマに比べると一章のボリュームも短くなりがちな休職前と休職中について、まとめてみました。

うつ病休職者のリワークというテーマだと、先程話したように休職後がメインとなるのは当然ではありますが、その前の休職前や休職中といったのも実は大切でここがきちんとされていないと、リワークには辿り着けない可能性が高いし、ちょっとしたきっかけから休職中にうつ病が悪化するという事も考えられます。

そうならない為にも、うつ病休職者のリワークは

『休職後だけでなく、休職前・休職中もケアが大切』

といったのや、会社にメンタルヘルスケアの充実、うつ病対策の強化といったのが求められてくるので、

『今の内に対策チームを作る必要性』

というのを今回感じました。

最後にうつ病休職者本人だけでなく、会社と家族も情報を共有して皆で一丸となって休職者のリワークを成功させれたら、誰にとっても嬉しい事となるのではないでしょうか。

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